この記事のポイント
- 主な訴え:シニアゴルファーに多いのは「腰痛・背中の痛み・肘の不調」(肩こりは併発するケースもあり)
- 体の特徴:股関節と下肢の固さ・肩甲骨周りの固さによる回旋不足
- 翌日のつらさ:片側だけの動きの繰り返しによるバランスの崩れが主因
- セルフケア:股関節ストレッチ+背骨の回旋運動+ラウンド後の足裏ケア
- 注意点:50代以降は無理な前傾姿勢とカートの上下振動に特に注意
- 整体活用:理想は「ラウンド後1回」または「月1回の定期メンテナンス」
- 改善の目安:5〜20回程度(症状や個人差により変動)
- 施術者:鍼灸師(国家資格)・吉岡渉
- 医療との関係:当院は医療機関ではありません。痛みが強い場合や原因不明の症状は、まず整形外科等の医療機関へご相談ください
50代を過ぎてから、ラウンド翌日のつらさが残るようになっていませんか
40代までは、休日にラウンドして月曜日に普通に仕事ができた。それが50代に入ったあたりから、ラウンド翌日に腰が重い、背中が張って振るのが怖い、肘が痛む、といった訴えが少しずつ増えてきます。
やさしい整体院(広島県福山市)には、こうしたシニアゴルファーの方が多く相談に来られます。当院に来られる50代以上のゴルファーの方の訴えで最も多いのは、腰痛・背中の痛み・肘の痛み、そして「腰が回りにくい」「背中が痛いので振るのが怖い」というものです。
施術者である私自身もゴルフを楽しむ一人ですが、ゴルフは身体への負担がとても大きいスポーツです。ここからは、シニア世代のゴルファーがなぜ痛みや違和感に悩まされやすいのか、ラウンド前後にできるセルフケア、そして整体院での体のメンテナンスの活用について、順にお伝えします。
なぜ50代以降、ゴルフ後の腰・背中・肘のつらさが残るのか
ゴルフは「片側の動きばかりするスポーツ」です。右利きの方なら常に左へ振り、その繰り返しで体は徐々に左右のバランスを崩していきます。若いうちは寝れば回復していたこのバランスの崩れが、50代を過ぎると回復に時間がかかり、慢性的な「ねじれ」として体に残るようになります。
これが、ラウンド翌日の腰の張り、背中の痛み、肘の違和感の根本にあります。
加えて、加齢とともに以下の3つの変化が重なります。
1. 股関節と下肢の柔軟性が落ちる
当院に来られるゴルファーの方の体に共通している特徴の一つが、股関節と下肢が固まっていることです。股関節が固いと、本来そこで吸収すべき回旋の力が腰椎に集中し、腰への負担が大きくなります。
2. 肩甲骨周りが固まる
肩甲骨の可動性が落ちると、上半身の捻り(バックスイング・フォロースルー)で背骨に負担が集中します。「背中が痛くて振るのが怖い」という訴えの多くは、この肩甲骨の固さに端を発しています。
3. 回旋不足が痛みやケガにつながる
股関節と肩甲骨が固まる → 体全体の回旋不足 → 腰椎で無理にひねる → 痛み・違和感 → ケガ。この連鎖が、シニアゴルファーの体の中で静かに進行しています。
人間の動きの中で、腰の回旋運動はかなり腰や背骨に負担がかかる動作です。ゴルフはその回旋運動を1ラウンドで100回以上繰り返すスポーツですから、腰回りの筋肉や腰椎周辺のストレッチ・ケアは、シニア世代では特に大切です。自律神経の状態と筋緊張は密接に関係するため、必要に応じて自律神経の乱れのページも併せてご覧ください。
シニアゴルファーに多い4つの主な訴え
当院に相談に来られるシニアゴルファーの訴えは、以下の4つに集約されます。
1. 腰痛(特に右腰・左腰の片側)
回旋動作の最終局面で力が集中する側の腰に張りや痛みが出ます。「ラウンド翌日に布団から起き上がれない」「朝のスタートホールでスイングが怖い」といった訴えが典型的です。
2. 背中の痛み(肩甲骨の内側)
肩甲骨の可動性が落ちることで、背骨と肩甲骨の間の筋肉(菱形筋・僧帽筋中部)が常に引っ張られた状態になります。「振るのが怖い」と感じる方の多くがここの違和感を抱えています。
3. 肘の痛み(ゴルフ肘・テニス肘)
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)・テニス肘(外側上顆炎)に近い症状が出ることがあります。グリップが強すぎる、スイング中に肘で操作しようとする癖が原因として観察されます。
4. ラウンド翌日のだるさ・全身の疲れ
これは加齢による回復力の低下と、片側だけの動きによるバランスの崩れが重なって起こります。「以前は翌日に響かなかったのに」と感じ始めたら、体のメンテナンス時期のサインです。
補足:首・肩のこりについて
これら4つの主訴に加えて、首・肩のこりを併発される方もいらっしゃいます。スイング中の頭の固定とターゲット視認の動作で首・肩への負担が蓄積するためです。ただし、当院に相談に来られるゴルファーの方の最も多い訴えは、上記の腰・背中・肘の3つです。慢性的な頭痛を伴う場合は、頭痛・片頭痛と自律神経のページも参考になります。
ラウンド前後にできるセルフケア
施術者でありゴルファーでもある私自身が実践している、ラウンド前後のセルフケアをご紹介します。シニアゴルファーの方にも応用できる内容です。
ラウンド前(自宅または練習場)
股関節のストレッチを多めに
これが最重要です。股関節の柔軟性が確保されていないと、体が回らずドライバーがスライス地獄になり、OBばかりになります。スコアのためというより、腰を守るために股関節を入念にほぐします。
背骨の回旋運動
両手を肩の高さで広げ、ゆっくり左右に体をひねる動きを20回程度。背骨の可動性を確認しながら行います。
ラウンド中
カートの振動に注意
見落とされがちですが、ゴルフカートの上下振動は腰に大きな負担をかけます。山道でガタガタするコースでは特に注意が必要です。当院でも、カートの「ドン」という振動から腰痛が発動した方がいました。腰に不安がある方は、カートをゆっくり動かして振動を減らすことをおすすめします。
ハーフ後の軽いストレッチ
昼食前に、股関節と背骨を軽く伸ばす時間を作ると後半が楽になります。
ラウンド後
スイングで使った同じ場所をしっかりケア
朝にストレッチした股関節・背骨を、終わった後も同じようにケアします。「使った筋肉を使ったまま放置しない」が原則です。
クラブハウスのお風呂では足裏をしっかり揉む
これは多くの方が見落としているポイントです。ゴルフは足の裏で地面をつかんでいるため、足裏の負担はかなり大きくなります。放置すると、足底筋膜炎のような症状につながることがあります。お風呂でゆっくり温めながら足裏を揉むのは、その日のうちにやっておきたいケアです。
自分の体のケアは他者に任せる
私自身も、自分の体のメンテナンスは他の治療院の先生に施術してもらっています。施術者であっても、自分の体のケアは他者の手に委ねるのが、長くゴルフを楽しむために大切なことだと感じています。プロに任せることは、長くゴルフを続けるための投資でもあります。
ちなみに、私自身は普段シミュレーション施設でクラブを試しながら練習することが多く、Pro V1 のボールで TaylorMade Qi35 ドライバーや Srixon ZXi5 アイアンを振っています。シニアゴルファーの方とも、クラブの話で盛り上がることがよくあります。
セルフケアで改善しないとき—整体の活用
セルフケアを続けても、ラウンド翌日のつらさが取れない、痛みが慢性化してきた、という場合は、専門家による体のバランス調整を検討するタイミングです。
整体でできること
シニアゴルファーの体は、繰り返しのスイングで徐々に「ねじれ」が蓄積しています。これを定期的にリセットすることで、以下のような変化を感じる方が多く見られます。
- 股関節・肩甲骨の可動域が回復し、スイング時の腰への負担が軽くなる
- 左右の筋緊張のバランスが整い、片側だけの痛みが緩和する
- 自律神経が整うことで、ラウンド翌日の疲労回復が早まる
実際、当院に来られた方からは「施術を受けてからの練習が、腰や体の回旋がしやすく、いつもよりも練習効果が高く感じる」というお声をいただくことがあります。
ただし、整体は医療行為ではありません。改善の感じ方には個人差があり、症状が強い場合や原因がはっきりしない痛みは、まず整形外科等の医療機関での診察を受けていただくことが大切です。当院では地域の医療機関と連携しながら、必要に応じて専門医療をおすすめする方針をとっています。
来院ペースの目安
理想的なペースは以下の通りです。
- ラウンド後に1回来院が最も理想的です。その日の体のねじれをリセットしてから日常に戻れます
- 月1回の定期メンテナンスが現実的なペースです。月1回でも、体のねじれが蓄積するのを防げます
放置していると、体のねじれが進み、痛みが出やすくなります。結果、パフォーマンスが落ち、スコアが落ち、痛みが出てゴルフ自体ができなくなる、という悪循環につながります。これは50代以降のゴルファーにとって、最も避けたい状況です。
改善の目安は、5〜20回程度の通院(症状や個人差により変動します)を一つの目安としてお伝えしています。
当院の独自の取り組み
ゴルファーの患者さんには、次のラウンドの予定日が分かっている場合には、それに合わせた施術プランを提案することもあります。日程が見えていれば、その方に合った通院ペース・自宅でのストレッチの提案・気をつけていただきたい動きのアドバイスを、より具体的にお伝えできるためです。
よくあるご質問
何回くらいで楽になりますか?
症状や個人差により変動しますが、5〜20回程度を一つの目安にしています。ラウンド後1回または月1回のペースで続けられる方が、長期的に良い状態を保ちやすい傾向があります。
痛みが強いのですが、整体で大丈夫でしょうか?
痛みが強い場合は、まず整形外科等の医療機関で原因を確認していただくことをおすすめします。当院は医療機関ではないため、医師の診断が必要な症状には対応できません。
ラウンド前にも来院した方が良いですか?
ラウンド後の来院を優先される方が多いですが、大事なコンペ前に体のバランスを整えたいという方も来られます。通院ペースは個別にご相談しています。
ゴルフを続けながらでも良くなりますか?
ゴルフを完全に休む必要はないことが多いですが、痛みが強い時期は無理せず控えていただくこともあります。当院では「ゴルフを長く続けるための体作り」を方針としています。
シニアでもフルスイングしていいですか?
体の状態次第です。無理な前傾姿勢は腰への負担が大きいため、特に注意が必要です。当院では、その方の体の状態に合わせた動き方のアドバイスをお伝えしています。
カートの振動が気になります。どうすればいいですか?
カートをゆっくり動かしてもらうこと、座る位置の工夫、腰へのクッションの活用などで振動を減らせます。腰に不安がある方は、ぜひ意識してみてください。
足の裏が痛いのですが、ゴルフのせいでしょうか?
可能性はあります。ゴルフは足の裏で地面をつかむ動きを繰り返すため、足裏への負担が大きくなります。ラウンド後のお風呂で足裏を揉むセルフケアを試してみてください。それでも改善しない場合はご相談ください。
妻も整体を受けたいと言っています。家族で通院できますか?
はい、ご家族でのご来院も歓迎しています。ご夫婦でゴルフを楽しまれている方も多くいらっしゃいます。
ご相談はやさしい整体院(福山市)へ
やさしい整体院では、鍼灸師(国家資格)・吉岡渉が、お一人おひとりの体の状態を丁寧に確認した上で施術を行っています。シニアゴルファーの方には、ゴルフという視点と、体全体のバランスという視点の両方からアプローチしています。
「ラウンド翌日が怖くなってきた」「以前のようにスイングできない」「整形外科に行ったが、これ以上は様子見と言われた」といった方は、一度ご相談ください。
医療機関ではないため、診断や治療はできませんが、ゴルフを長く続けたい方のための体のメンテナンスとして、お役に立てる場合があります。ご予約・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事は鍼灸師・吉岡渉(やさしい整体院・福山市)の臨床観察に基づき執筆しました。整体の効果には個人差があり、症状の改善を保証するものではありません。痛みが強い場合や原因不明の症状は、まず医療機関へご相談ください。
