お腹が張る・下痢や便秘を繰り返す・腹痛に悩まされる——。検査では「特に異常はない」と言われるのに、症状が続いている方は少なくありません。こうした症状の背景には、過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれる状態と、自律神経のバランスの乱れが関係していることがあります。
やさしい整体院(福山駅前)では、消化器内科で検査を受けたうえでIBSと診断された方や、自律神経の観点からお腹の不調をケアしたい方のご相談を受けています。本ページでは、IBSと自律神経の関係、特に「腸と脳のつながり(脳腸相関)」、日常生活で意識したいこと、そして必ず医療機関へ相談していただきたいサインまでを、施術歴20年・年間5,000人以上を見てきた視点からお伝えします。
こんなお悩みはありませんか?
- 下痢と便秘をくり返し、排便のリズムが安定しない
- お腹の張り・ガスの溜まりが気になる
- 会議や通勤の前にお腹が痛くなりやすい
- 排便すると腹痛が和らぐ
- ストレスがたまると下痢や便秘がひどくなる
- 大腸内視鏡などの検査では「異常なし」と言われた
これらはIBS(過敏性腸症候群)の特徴的なパターンで、背景に自律神経のバランスの乱れが関わっていることがあります。
最初にお伝えしたいこと — まず消化器内科での検査を
IBSは医学的には「器質的な疾患(炎症性腸疾患や大腸がんなど)が検査で除外されたうえで、慢性的な腹痛や便通異常が続いている状態」に対して診断される機能性の疾患です。診断は医師が行います。当院は医療機関ではなく、医学的な診断・治療を行う立場にはありません。
初めてお腹の症状が強く出たとき、症状の出方が変わってきたとき、後述する受診サインに当てはまるときは、まず消化器内科を受診して、大腸内視鏡などの検査で他の疾患が隠れていないかを確認していただくことをお願いいたします。
当院が自律神経ケアの観点からお手伝いできるのは、検査で器質的疾患が除外されたうえで、慢性化したIBS症状と付き合っている方への補完的なサポートです。医療機関と競合するものではなく、医療を土台としたうえでの生活面・神経系の調整を担う位置づけです。
過敏性腸症候群(IBS)とは
過敏性腸症候群(IBS)は、大腸や小腸に目に見える病変がないにもかかわらず、腹痛や便通の異常が慢性的に続く疾患です。日本人の10〜15%程度が該当するといわれる、身近な疾患のひとつです。
症状のタイプは、便の状態によって次のように分けられることがあります。
- 下痢型:下痢をくり返すタイプ
- 便秘型:便秘が続くタイプ(コロコロ便・排便困難)
- 混合型:下痢と便秘を交互にくり返すタイプ
- 分類不能型:どのパターンにも当てはまらないタイプ
発症のはっきりとした原因は現時点でも完全には解明されていませんが、ストレス・生活リズムの乱れ・腸内環境・そして後述する「脳と腸のつながり(脳腸相関)」の乱れが、症状に深く関わっていることが分かってきています。
脳腸相関(Gut-Brain Axis)— 腸と脳のネットワーク
IBSを理解するうえで欠かせない視点が、脳腸相関(のうちょうそうかん)です。近年の研究で、腸と脳は自律神経やホルモンを介して双方向に影響し合っていることが明らかになってきています。
腸は「第二の脳」と呼ばれる
腸管には約1億個以上の神経細胞が張り巡らされており、脳の次に多い神経ネットワークを持つことから「第二の脳」と表現されます。腸はそれ自体で独立して動ける仕組みをもちながら、同時に脳からの指令や感情の影響を強く受けています。
セロトニンの約90%は腸で作られる
精神の安定に関わる神経伝達物質「セロトニン」は、そのおよそ9割が腸でつくられていることが知られています。腸内環境や腸の動きが乱れると、セロトニンのバランスにも影響がおよぶ可能性が指摘されており、気分の落ち込みや不安感と腸の不調が同時に出やすいのは、この背景が関わっていると考えられています。
迷走神経が脳と腸を双方向につなぐ
脳と腸は、自律神経のひとつである迷走神経を中心に、文字どおり「ケーブル」のようにつながっています。興味深いことに、この迷走神経を流れる情報のうち、腸から脳へ向かう信号の方が、脳から腸へ向かう信号より多いことも分かってきました。つまり「お腹の状態」は、私たちが思っている以上に「心の状態」に影響を与えています。
ストレスが腸の動きを乱すしくみ
脳がストレスを感じると、交感神経が優位になり、腸の動きや血流、粘液分泌のバランスが崩れます。IBSの方では、この「ストレスに対する腸の反応」が一般の方より強く出やすいことが報告されています。会議の前にお腹が痛くなる、通勤電車で便意が強くなる、といった経験はその典型例です。
IBSと自律神経の関係
腸の動き(蠕動運動)や血流、消化液の分泌は、自律神経(交感神経・副交感神経)によってコントロールされています。交感神経(活動モード)が過剰に優位な状態が続くと、腸のリズムが乱れ、下痢や便秘、腹部の不快感として症状が現れやすくなります。
逆に、副交感神経への切り替えがうまくできず、腸が緊張しっぱなしになっている方では、食後の強い腹痛やガス溜まりが続くこともあります。IBSが「ストレスと強く関連する疾患」と言われる背景には、この自律神経のバランスが深く関わっています。
なお、自律神経を整えたからといってIBSそのものが治るわけではありません。あくまで症状の波と付き合うための、生活・神経系の土台づくりに位置づけてご理解ください。
当院の自律神経ケアのアプローチ
やさしい整体院(福山駅前)の吉岡 渉(鍼灸師)は、施術歴20年・年間5,000人以上の施術経験をもとに、お身体の反応を見ながらソフトに整える整体を行っています。IBS症状でお越しの方には、消化器内科の治療内容を確認させていただいたうえで、呼吸・背骨・頭蓋・骨盤などの全体バランスを整え、副交感神経が働きやすい状態づくりをお手伝いします。無理な力を加えないのが当院の基本姿勢です。詳しくは施術方法のページをご覧ください。
日常生活で意識したいこと
以下は自律神経の観点からの一般的なセルフケアです。IBSそのものの治療ではなく、神経系と生活リズムを整える土台づくりとしてご参考にしてください。
1. 睡眠リズムを大きくずらさない
就寝と起床の時刻が平日・休日で2時間以上ずれないことを目安に。睡眠不足・夜ふかしは自律神経のバランスを乱し、腸の動きにも影響します。
2. よく噛んで、ゆっくり食べる
急いで食べると空気を一緒に飲み込み、ガス溜まりの原因になります。一口30回を目安によく噛むこと、食事中のスマホ操作を控えるだけでも、腸への負担は変わってきます。
3. ストレスをためこまないくふう
深呼吸・軽いストレッチ・入浴(38〜40℃で10〜15分)などで、副交感神経に切り替える時間を1日の中に意識的に作ってみてください。
4. 食事療法は主治医・管理栄養士の指導を優先
IBSでは専門的な食事療法が検討されることがあります。これは自己流ではなく、主治医や管理栄養士の指導を受けて進めるのが安全です。当院は整体院であり、食事療法・栄養指導を行う立場にはありません。食事面の一般的な工夫については過敏性腸症候群|すぐ出来る食事療法と3つのレシピを詳しく解説でコラムをまとめていますので参考になさってください。
医療機関の受診を検討すべきケース
お腹の症状には、IBS以外にも重大な疾患が隠れていることがあります。診断のついていない症状や、次のサインがあるときは整体ではなく医療機関の受診を優先してください。
⚠️ すぐに消化器内科を受診していただきたいサイン
- 血便(赤い血が混じる / 黒っぽいタール状の便 / 便に血が混じる)
- 急激な体重減少(数ヶ月で数キロ以上・ダイエットをしていないのに)
- 夜間に目が覚めるほどの強い腹痛
- 発熱を伴う腹痛
- 40代以降で初めて強い便通異常が出てきた
- 家族に大腸がん・炎症性腸疾患の既往がある方で、腹痛や血便が出た
これらは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、大腸がん、感染性腸炎など、別の疾患の可能性があります。速やかに消化器内科を受診し、必要な検査(血液検査・便潜血検査・大腸内視鏡など)を受けてください。
当院は医療機関ではありません。診断は必ず医師が行います。整体で対応できる範囲と医療で対応すべき範囲を正直にお伝えし、必要なときは迷わず受診をおすすめしています。
医学的な学びとの接続
当院では、広島赤十字・原爆病院 緩和ケア科 吉川徹医師をお招きした勉強会を開催しています(全9回)。身体や神経の働きについて医学的視点から学びつづけることを、施術品質の土台と位置付けています。勉強会の内容は医師勉強会の実績ページで公開しています。
よくある質問
Q. 整体で過敏性腸症候群(IBS)は治りますか?
IBSは医学的な疾患であり、整体で「治す」ことはできません。当院は自律神経のバランスを全体から整えるお手伝いをする立場で、診断と治療は消化器内科などの医療機関にお任せしています。症状の波と上手に付き合うための生活面・神経系のサポートとしてお役立ていただければと思います。
Q. 消化器内科での検査は必要ですか?
はい、まず消化器内科を受診し、必要に応じて大腸内視鏡などの検査で他の疾患が隠れていないことを確認していただくことをお願いしています。IBSは器質的疾患を除外したうえで診断される疾患のため、検査を受けていないまま整体だけに頼ることはおすすめしていません。
Q. 食事療法は教えてもらえますか?
当院は整体院のため、具体的な食事指導・栄養指導を行う立場にはありません。食事療法については、主治医や管理栄養士の指導を受けてください。一般的な食生活の情報はコラム過敏性腸症候群|すぐ出来る食事療法と3つのレシピを詳しく解説にまとめています。
Q. 薬を飲んでいても整体は受けられますか?
基本的には問題ありません。処方されているお薬を続けながら、生活面と自律神経の観点から整体でお身体を整えていきます。主治医から運動や姿勢についての指示が出ている場合はそちらを優先しますので、初回の問診でお知らせください。
Q. どのくらいのペースで通えばよいですか?
お身体の状態や症状の波によって適切なペースは異なるため、初回にお身体を確認させていただいたうえでご提案しています。体調の波が大きい時期はやや頻度を高め、落ち着いてくれば間隔を広げていくのが一般的です。無理なく続けやすいペースを一緒に見つけていきます。
関連ページ
- 自律神経の乱れ全般について → 自律神経の乱れ|福山駅前の専門整体院がわかりやすく解説
- IBSの食事療法・レシピ → 過敏性腸症候群|すぐ出来る食事療法と3つのレシピを詳しく解説
- ご自身の状態を確認したい方 → 自律神経の乱れチェックシート
- 施術内容について → 施術方法
- 医師勉強会について → 医師勉強会の実績
※ 本ページの情報は自律神経ケアの観点からの一般的な参考情報であり、医学的な診断・治療を代替するものではありません。過敏性腸症候群(IBS)をはじめとするお腹の症状については、必ず消化器内科等の医療機関でご相談ください。