はじめに
本日は松岡病院「産後ケア講座」にご参加いただき、誠にありがとうございます。
このページは、セミナーでお伝えした内容をいつでも振り返っていただけるようまとめたものです。
日々のセルフケアにお役立てください。
講師:やさしい整体院 代表 吉岡 渉(国家資格:鍼灸師)
骨盤と自律神経について
産後の体調不良は「骨盤のゆがみ」だけが原因ではありません。
骨盤周囲の変化が自律神経にどう影響するか、研究に基づいてお伝えします。
産後の骨盤周囲に起きていること

鍼灸師の視点から申し上げると、骨盤周囲の靭帯が緩み、筋肉の支えが弱くなると、体幹は常に不安定な状態を補おうと緊張を続けます。この「常に頑張っている状態」が交感神経を優位にし、産後の慢性的な疲労感・睡眠の浅さ・気持ちの落ち込みにつながりやすくなると考えられています。
産後の骨盤周囲の回復プロセス

当院の臨床経験では、回復プロセスの3段階目「神経制御の再学習」は、自律神経の再調整と同じプロセスであると感じています。脳が体の正しい使い方を取り戻すことで、過緊張状態が解除され、自律神経のバランスが整いやすくなります。この自然な回復を早めるために、適切なセルフケアが重要です。
骨盤の不安定さが自律神経に影響する仕組み

当院の臨床経験では、特に「呼吸が浅い」状態は自律神経と密接に関わっています。呼吸の深さは副交感神経の活性に直接影響するため、骨盤の不安定さ → 浅い呼吸 → 自律神経の乱れという連鎖が産後に起きやすくなると考えられます。
産後の骨盤安定性チェックシート
ご自身の状態を確認してみてください。当てはまる項目が多い方は、専門家への相談をおすすめします。ただ、下記の症状の原因がすべて骨盤とは限りません。

正しい抱っこ姿勢と骨盤への影響

当院の臨床経験では、産後のお母さんの多くが「反り腰」または「猫背」の姿勢で抱っこをされています。どちらの姿勢も肩・腰に大きな負担がかかり、骨盤の不安定さを悪化させる原因になります。
反り腰:腰が過度に反ることで、腰椎への圧力が増し、腰痛や骨盤の前傾につながりやすくなります。
猫背:背中が丸まることで、肩甲骨周りの筋肉が過緊張し、肩こり・首こり・呼吸の浅さにつながります。
鍼灸師の視点から申し上げると、正しい姿勢で抱っこすることは、骨盤周囲の回復を助け、自律神経への負担を軽減する上で非常に重要です。赤ちゃんをできるだけ身体の中心に近づけ、背筋をまっすぐに保つことを意識してみてください。
体操をして体が変わることを体感しよう
ここからは、ご自宅で続けていただけるセルフケア体操をご紹介します。
どちらも産後の体に負担が少なく、自律神経の安定にも効果が期待できるものです。
体操1:もも上げ運動
動作:立った状態で膝を90度以上に引き上げ、左右交互に行います。
目安:1日10回 x 2セット
鍼灸師の視点から申し上げると、もも上げ運動は腸腰筋(インナーマッスル)を活性化させ、骨盤の安定性を高める効果が期待できます。骨盤が安定すると体幹の過緊張が緩和され、交感神経の過剰な活動が落ち着きやすくなります。短時間で行えるため、育児の合間に取り入れやすい運動です。
体操2:自律血流体操
動作:股関節を回す・肩を回す・足首を伸ばす
目安:朝・昼・夜寝る前の1日3回が理想
股関節を回す:骨盤周囲の血流を促進し、靭帯・筋肉の回復を助けます。
肩を回す:抱っこ姿勢で固まった肩甲骨周りをほぐし、呼吸を深くします。
足首を伸ばす:ふくらはぎのポンプ作用で全身の血流を改善し、自律神経を整えます。
当院の臨床経験では、この3つの動きを組み合わせることで、末梢の血流が改善し、副交感神経が活性化しやすくなると感じています。特に就寝前に行うと、入眠の質が向上するケースが多く見られます。
まとめ
産後の体調回復のポイントは、次の3つの流れです。
- 骨盤周囲の安定 — 靭帯と筋肉が回復し、体幹が安定する
- 神経制御の再学習 — 脳が体の正しい使い方を取り戻す
- 自律神経の安定 — 過緊張が解除され、睡眠・体力・気持ちが回復する
この流れは数週間で終わるものではなく、出産後6〜12ヶ月かけて段階的に進みます。
だからこそ、日々のセルフケアを「少しずつ、長く」続けることが最も大切です。
「自分でケアしているけど、なかなか改善しない」「どこに相談すればいいか分からない」という方は、お気軽にやさしい整体院にご相談ください。産後の体と自律神経の両面から、お一人おひとりに合わせたケアをご提案いたします。
第1回 産後ケア講座を開催しました
2026年4月10日(金)松岡病院にて

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第1回の産後ケア講座を、医療法人賀仁会 松岡病院様にて開催させていただきました。
定員12組に対して2倍以上のお申し込みをいただき、満席での開催となりました。当日は14名のママさんとスタッフの皆さんにご参加いただきました。
講座では、骨盤と自律神経の関係についてお伝えした後、実際に体操を体験していただきました。参加されたママさんからは、このような感想をいただいています。
ご参加いただいたママさんの声
- 「今までで一番すっきりして体が楽になった」
- 「目がめっちゃ開くようになった!」
- 「今後も参加したい」(複数のママさんより)
松岡病院スタッフ様からのご感想
「一方的に講師が話すのではなく、ママさんとのコミュニケーションや体感を大切にした講座で、変化を実感できるとても素晴らしい体験でした。ママ同士の距離も近く、いつものイベントとは違う温かい雰囲気がありました。考えを押し付けるのではなく、一人ひとりに寄り添った伝え方がとても素敵でした。」
ご参加いただいた皆さま、松岡病院のスタッフの皆さま、ありがとうございました。
今後も定期的に開催してまいりますので、ぜひご参加ください。
セミナーでいただいた質問と回答
講座中にいただいたご質問にお答えします。
Q1. 抱っこの姿勢で気をつけることは?
赤ちゃんをできるだけ身体の中心(おへその前)に近づけ、背筋をまっすぐに保つことが最も大切です。反り腰や猫背になると、肩・腰への負担が大きくなり、骨盤の不安定さも悪化します。セミナーでお伝えした中心軸を意識してください。
参考:このページの「正しい抱っこ姿勢と骨盤への影響」のセクションで、反り腰・正しい姿勢・猫背の比較画像をご確認ください。左右交互に抱っこすることも重要です。
Q2. 骨盤のゆがみや肩こりに対するストレッチは?
このページでご紹介している2つの体操がそのままストレッチとして有効です。
骨盤のゆがみ:「体操1:もも上げ運動」が腸腰筋を活性化し、骨盤の安定性を高めます。
肩こり:「体操2:自律血流体操」の中の「肩を回す」動作が、抱っこ姿勢で固まった肩甲骨周りをほぐし、呼吸を深くします。
どちらも産後の体に負担が少なく、育児の合間にできる内容です。まずは1日1回から始めてみてください。
Q3. 子供の向き癖でケアできることはありますか?
向き癖の多くは生後3〜4ヶ月で自然に改善しますが、ご家庭でできることは主に4つあります。
①タミータイム(うつぶせ遊び):起きているときに1回10〜15分、1日3回程度。首・肩の筋肉が鍛えられ、自分で頭を動かせるようになります。
②反対側からの声かけ:向き癖側を壁にして寝かせ、家族の気配が反対側から来るようにします。
③タオルポジショニング:向き癖がある側の肩〜背中の下にタオルを入れ、体全体を少し傾けます。
④抱っこの向きを変える:いつも同じ側で抱っこしないよう、左右交互にしましょう。
なお、頭の形の変形が気になる場合は、小児科の先生にご相談ください。
Q4. 横向き寝で寝かしつけた後、あおむけ寝や寝返りがしにくい場合のケア方法は?
横向き寝の姿勢が続くと、片側の骨盤・肩に負担が集中しやすくなります。その分、起きてから
おすすめのケア:
・朝起きたら「体操2:自律血流体操」の股関節回し+肩回しを行い、片側に偏った筋肉の緊張をリセットする
・日中に「体操1:もも上げ運動」で骨盤を左右均等に安定させる
・授乳や抱っこの際に、横向き寝と反対側を意識して使う
「寝ている間の姿勢」を完璧にするよりも、「起きている間のケア」を習慣にすることのほうが、骨盤と自律神経の回復には効果的です。
Q5. 骨盤のゆがみのチェックリストはありますか?
はい、このページの下部に「産後の骨盤安定性チェックシート」を掲載しています。10項目のセルフチェックで、ご自身の骨盤周囲の状態を確認できます。
当てはまる項目が多い場合は、骨盤周囲の不安定さが体調不良の一因になっている可能性があります。特に「呼吸が浅い」「リラックスしているつもりでも力が入る」に当てはまる方は、自律神経への影響も考えられますので、お気軽にご相談ください。
参考:ページ下部の「産後の骨盤安定性チェックシート」をご覧ください。
松岡病院こころの樹からのInstagram投稿
開催前の告知投稿
講座の開催に先立ち、松岡病院 こころの樹の公式Instagramにてご紹介いただきました。
開催レポート投稿
講座終了後、松岡病院 こころの樹の公式Instagramにて講座の様子をご紹介いただきました。
著者情報
やさしい整体院 代表 吉岡 渉
国家資格:鍼灸師
自律神経と身体の不調を専門とする整体院を運営。産後の骨盤ケアと自律神経の関連について、臨床経験に基づいたアプローチを提供しています。
免責事項:このページの情報は、一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、医療行為の代替を意図するものではありません。個々の症状や状態については、必ず担当の医師や専門家にご相談ください。掲載している内容は、臨床経験および公開されている研究に基づいていますが、効果には個人差があります。