当院の整体が目指すこと
やさしい整体院の整体は、痛い場所を揉んだり、電気をあてたりする施術とは根本的に異なります。
多くの整骨院や整体院では、腰痛にはAという施術、頭痛にはBという施術、膝の痛みにはCという施術、というようにパターン化された施術が行われています。そのパターンに当てはまる方はよいのですが、当てはまらない方が困ります。
当院では、「どの流れでこの痛みや苦しさが出ているのか?」「原因は何なのか?」を問診と検査で丁寧に特定し、パターンに頼らない施術を行っています。
実際の事例① ― 息苦しさと出産への不安
息苦しさを改善したいという29歳の女性が来院されました。お子さんが2人おられ、3人目を希望していましたが、息苦しさがあるため出産に恐怖を感じていました。
「生むときに呼吸がもっと浅くなったらどうしよう」と不安を抱えておられました。
呼吸の問題となると肺や気管を疑い、まず病院に行くのが一般的です。第一選択としてはとても正しいことです。ただ、この方は病院に行き薬をもらっても改善しませんでした。
私たちから見ると、息苦しさは背骨の第7頸椎や第1胸椎あたりが硬くなっていることが多いです。少し強く押さえると痛いと言う方が多い傾向があります。その背骨の硬さを緩めてあげると、呼吸がしやすくなることがあります。
また、肋骨が硬くなっていることで呼吸がしづらくなるパターンもあります。肋骨まわりを施術して柔らかくすると、呼吸がしやすくなります。
この方の場合、病院では「肺や気管に異常なし」で終わっていたものが、背骨と肋骨の硬さという身体の構造的な問題が原因でした。
実際の事例② ― 腰痛の本当の原因
腰が痛いと来院された方がいました。既往歴を聞いていくと、過去に膝を痛めたことがありました。
実際に検査をすると、膝の状態をかばって歩いたり行動しておられました。その結果、腰に負担がかかり続けていたのです。
この場合、腰の施術をしても一時的にはよくなりますが、原因が膝にあるため、腰の痛みは戻ってきます。膝の状態を改善することで、初めて腰痛が根本的に改善に向かいました。
説明と納得を大事にしています
施術をするうえで一番大事にしていることは、原因がどこにあるのかを問診や検査で特定し、それを患者さんご自身がわかるように説明し、納得していただくことです。
当院に来られた方からよくいただく声があります。
- 「説明がわかりやすかった」
- 「前の所では何も言われなかった」
- 「自分の身体のことが初めて理解できた」
痛みの原因がわかると、患者さん自身も「何に気をつければいいか」が見えてきます。説明からの納得があることで、施術の効果もセルフケアの取り組みも変わってくると考えています。
具体的な施術アプローチ
自律神経の調整
自律神経と背骨の状態は密接に関わっています。自律神経は脳から脊髄を通り、全身の臓器や組織に命令を伝える神経のネットワークです。
イメージとしては、自律神経を水道のホースに例えてみてください。背骨というしっかりした骨の構造がそのホースを守りつつ、骨と骨の間から神経が各臓器へと伸びています。ところが、骨の間が固まり柔軟性を失うと、ホースが圧迫されて神経の流れが悪くなります。その結果、内臓の働きや血流に影響し、自律神経の乱れによる症状が現れやすくなるのです。
さらに掘り下げると、背骨には頸椎・胸椎・腰椎といったセクションがあり、それぞれが特定の器官や機能に関わっています。
- 胸椎が固まると → 呼吸が浅くなり、交感神経が過度に活性化することがある
- 頸椎の動きが悪くなると → 脳への血流が滞り、疲労や不調につながる可能性がある
つまり、背骨の柔軟性を維持することは、自律神経を安定させ、全身のバランスを整える鍵となるのです。
調整法としては、背骨の調整、血流・内臓の調整、頭蓋骨調整、呼吸の調整など、さまざまな方法を組み合わせて行います。具体的な方法を以下にご紹介します。
背骨の調整
まず、姿勢を2つの方向からチェックします。
正面からのチェック:
- 首は傾いていないか?
- 肩の高さは左右で違わないか?
- 両方の鎖骨の高さは揃っているか?
- 腰の高さは?
- 膝の高さは? O脚? X脚?
横からのチェック:
- 背骨のS字カーブをきちんと描けているか?
- 猫背になっていないか?
- 反り腰になっていないか?
- 背骨に回旋(ねじれ)が入っていないか?
この姿勢の状態を把握した上で、「このパターンならここに負担がかかり、ここに症状が出やすい」と考えます。問診表に書かれていない「頭痛はありませんか?」「膝に違和感はありませんか?」といった質問も、姿勢の評価から導き出しています。
例えば、頭痛で来られた方で普段から首が傾いている場合、首の付け根の状態から顎の痛みや腰の痛みにもつながりやすいです。そのため、頭痛だけで来られていても「腰痛や、顎に違和感はありませんか?」とお聞きすることがあります。
実際の首の調整では、基本的に下から上へ確認していきます。足首に問題があれば膝に影響し、骨盤の高さが変わり、その結果、上にある首に負担がかかります。土台がおかしければ、そこから施術を行います。
首自体の調整について説明すると、首の骨(頸椎)は7つあります。骨というと固定されているイメージが強いですが、骨と骨の間は関節となっており、動くことが前提の構造です。
首を持ち、骨と骨の関係性を動きによって調べていきます。
- 回旋:右回り・左回り
- 側屈:左に倒す・右に倒す
- 屈曲・伸展:前に曲げる・後ろに反らす
これを6つの頸椎(第1頸椎は頭蓋骨の中にあり直接触れないため除く)それぞれで確認し、動きの悪い箇所に目星をつけます。
そして、動ける方向にテンションをかけたり、鎖骨を押さえて筋肉の端を固定しながら引っ張ったりすることで、骨まわりの緊張を解いていきます。これを繰り返すことで、首の傾きが徐々に改善していきます。
ただし、普段から傾きがある方はそれが癖になっているため、セルフトレーニングも合わせてお伝えしています。施術とセルフケアを繰り返すことで、首が改善し、元の頭痛も改善していくという流れです。
血流の調整
血流が悪いといっても、西洋医学的な数値に出るかというと、それとは異なります。私たちが身体を検査した上で総合的に判断している概念であることを前提にお聞きください。
私たちが「血流が悪い」と判断するのは、以下のような状態が見られるときです。
- 回復力が落ちている
- 脇まわりや肩甲骨が硬い
- お腹を押さえたときに抵抗感がない
- 股関節まわりが硬い
- 顔色が悪い
- 寝ても疲れが取れない
血流の調整というと何かすごいことをイメージしやすいですが、考え方は先ほどの水道のホースの話と同じです。血管というホースがあって、そのホースを筋肉が締めて流れを悪くしているなら、その筋肉を緩めます。
具体的には、脇まわりが硬い方であれば小円筋・大円筋・肩甲骨まわりの筋肉を緩めることで、脇まわりの流れを改善していきます。股関節が硬い方であれば、鼠径リンパなどの流れが悪いと考え、股関節まわりの筋肉を緩めていきます。
実際にこの流れがよくなるだけで、背中や首まわりが緩むことが確認されています。
患者さんにも、初めに首の硬さを確認してもらい、その後に股関節の施術をして流れをよくしてから、もう一度首を触ってもらうと、かなり痛みが軽減していることに驚かれます。
このように、身体の流れがどこかで阻害されているだけでも、首や背中に問題が起きるのです。
内臓の調整
内臓の調整というと怪しく感じるかもしれませんが、実際にやっていることは簡単に言うと腸もみのようなイメージです。医学的な数値に反映されるものではありませんので、その前提でお読みください。
例えば、肝臓がわかりやすいので例に挙げます。お酒を飲みすぎると肝臓がかなり重くなります。仰向けで寝ていただき、肝臓の重さを背中から持ち上げるようにチェックすると、ズシッとした重さを感じ取れます。
そのズシッとした状態があるときに出やすい症状が、右の肩こり・背中のこり・右の腰の痛みです。
このズシッとした状態を指標にして、背中側とお腹側から肝臓のポイントを押さえ、少し押したり引いたりを繰り返していきます。すると、肝臓自体が少し軽くなったように感じ、同時に患者さんの右の肩こり・背中のこり・右の腰の痛みが軽減されています。
内臓は腹膜などでつながっているため、内臓自体に何か問題があると、他の部位に症状として波及することが多いのです。横隔膜や腎臓・腸なども、同じような要領で調整していきます。
自律神経症状を改善するには、背骨の調整も大事ですが、内臓の調整によって回復力の底上げをすることも非常に重要です。
頭蓋骨の調整
頭部から首の上部は、交感神経の緊張が乗りやすい部位です。目・耳・顎・舌・呼吸・姿勢反射など、情報量が非常に多い場所だからです。
頭蓋骨の調整が必要な方には、以下のような特徴が見られます。
- 頭皮・側頭部・後頭部が硬い ― 頭を触るとカチコチになっている状態で、緊張が強いと判断します
- 顎が食いしばり気味 ― 顎の筋肉を使い続けることで、それに引っ張られて頭全体が硬くなります
- 首の付け根が詰まっている ― 頭への血流量が落ちて、頭が固まります
具体的な方法としては、頭の骨はいくつかのパーツに分かれてできており、そのパーツとパーツの間には縫合と呼ばれる境目があります。この縫合を緩めていきます。頭のパーツの骨の一つを止めて、もう一つの骨を動かすような感じです。そうすることで縫合が緩み、頭の骨の動きがよくなってきます。
なぜ頭の調整で全身が変わるのか
人の姿勢は筋力よりも、感覚(入力)→ 脳の判断 → 筋の出力で決まります。頭部にはその入力装置が集中しています。
- 視覚(眼球運動・焦点)→ 首の付け根が硬くなる
- 前庭覚(平衡感覚)→ 私の経験では、斜角筋などが硬くなる傾向があります
- 顎関節・咀嚼筋(噛み合わせ由来の固有感覚)→ 顎まわりや斜角筋が固まる
- 頸部上部 → 頭の位置センサーが密集している部位
頭の緊張が抜けると、これらの入力が変わり、結果として以下のような変化が起きやすくなります。
- 首がまっすぐ立つ
- 肩が自然に落ちる
- 背中の反りが減る
- 体幹が”勝手に”安定する
食いしばりが強い方は、呼吸が浅く、首肩が上がり、肋骨が固まりやすい傾向があります。逆に顎・側頭部・後頭部の緊張が抜けると、呼吸が下に降りて、胸郭や骨盤の動きが出やすくなります。整体でよく見るのは「頭を触っただけで、息が深くなってお腹が動き出す」という変化です。
実際の事例 ― 胃の不調と頭蓋骨
尾道の学校の先生で、胃の調子が悪い・自律神経が乱れていると来院された40代後半の男性がいました。
その方の施術で頭まわりの調整をすると、「お腹がなんか動き始めた」と言われました。施術を何回か繰り返していくうちに、頭の骨の動きがとてもよくなってきました。そのタイミングで、胃の調子も改善されました。
余談ですが、「焼き肉とビールを楽しめるようになった」と喜ばれていました。
このように、頭蓋骨の調整をすることで、一見関係がなさそうな内臓の症状にも影響が出るということです。
呼吸の調整
呼吸は1日に約2万回行われています。この動きは実は、以下のすべてを動かしています。
- 背骨
- 肋骨
- 横隔膜
- 骨盤
- 内臓
- 首
つまり、呼吸が浅いとこれらすべてに影響が出ます。
- 背骨が動かない
- 肋骨が固まる
- 首が緊張する
- 骨盤が固まる
逆に、呼吸が深くなると
- 背骨が自然に動く
- 肋骨が広がる
- 首の力が抜ける
- 姿勢が安定する
肋骨の中に肺があります。肋骨が硬くなると、肺が膨らんだり縮んだりしにくくなります。肺がそのような状況になると、どうしても呼吸量が低下して先ほどのような状態に陥ります。
そこを改善していくことで、酸素の量が上がり、神経伝達もよくなり、自律神経も改善しやすくなると考えています。
呼吸が整うと何が変わるか
- 副交感神経が働きやすくなる
- 心拍が落ち着く
- 筋肉の緊張が落ちる
- 内臓が動きやすくなる
つまり、呼吸を整えることは身体をリラックス状態に戻す最短ルートとも言えます。
呼吸の調整方法
まず取り組むのは猫背の改善です。猫背の状態では胸郭が圧迫され、どうしても呼吸が浅くなりやすくなります。
そして、胸椎の調整を行っていきます。胸椎の調整とは、骨をゆらしていく調整法です。揺らすことで隣り合う骨との動きがよくなり、骨の動きが改善すると肋骨の動きもよくなります。その結果、肺が膨らみやすくなり、呼吸がしやすくなります。
私の施術で大事にしていることの一つは、患者さん自身に体感してもらうことです。
呼吸に問題がありそうな方には、施術前にまず2つのことを確認してもらいます。
- 大きく呼吸をしてみて、どれくらい吸えるかを感じてもらう
- 鎖骨の下あたりの肋骨のふくらみを、呼吸しながら手で確認してもらう
施術後にもう一度同じことをしてもらうと、呼吸の深さや肋骨のふくらみが明らかに変わっていることに驚かれる方が多いです。
施術の刺激量と安全性について
初めて来院される方の不安で多いのが、「ボキボキされる?」「痛くない?」ということです。当院の施術の刺激量と安全性についてお話しします。
完全にその方に合わせた施術
当院の施術は、完全にその方の状態に合わせて行います。
一般的な整体院や整骨院では、誰が来ても同じパターンの施術になりがちです。そのパターンに当てはまるとよくなりますが、当てはまらないとよくなりません。
強めがいい方もいれば、弱めがいい方もいます。これは人それぞれです。さらに言えば、同じ方であっても強めが合う日もあれば、弱めが合う日もあります。人間には体調の浮き沈みがあるので、これは自然なことです。
その日、その方の状態に合わせられることが最高の施術だと考えています。
ボキボキについて
ボキボキする手技については、必要な方には必ず許可をいただいてから行っています。
私たちが必要だと判断しても、過去にボキボキで嫌な経験をされていたり、怖いと感じている場合は身体に緊張が出てしまい、かえってよくないことがあります。
そのため、ボキボキが必要だと感じたときは必ず許可を取るルールが院内で統一されています。怖かったり嫌なときは、その場で断っていただいて大丈夫です。別の方法で結果を出していきます。
身体を改善するためにさまざまなパターンの施術を持っていますので、小さなお子さんや高齢者、さらには妊婦さんでも安心して受けていただけます。
安全面について
当院では安全面を重視しており、以下のことは行いません。
- 無理な矯正
- 激痛をともなう施術
- 急な操作
ただし、施術後に好転反応と呼ばれる症状が出ることがあります。
- 眠気
- だるさ
- 身体の重さ
これは身体が緊張状態からリラックス状態に切り替わるときに起こることがあり、多くの場合は時間とともに落ち着きます。気になる症状があれば、いつでもご相談ください。
当院の整体は、強い力で身体を変える施術ではなく、身体が自然に整う反応を引き出す施術です。そのため
- 痛みの少ない
- 身体に負担の少ない
- 安全性を重視した
整体を行っています。
対応する主な症状
施術は国家資格(鍼灸師・柔道整復師)を保持する施術者が担当します。
詳しくは当院についてをご覧ください。
※ 当院は医療機関ではありません。医師法に基づく診断・治療は行っておりません。症状が強い場合や急性期の方は、まず医療機関の受診をお勧めいたします。本ページの内容は身体理解を支援する情報であり、医学的助言を目的としたものではありません。