産婦人科医に聞く vol.9:ピルの服用は不妊症に影響がありますか

本記事は、広島赤十字・原爆病院 緩和ケア科 吉川徹医師(日本産科婦人科学会専門医)による院内勉強会の内容を要約してお届けします。本シリーズは全9回にわたり、産婦人科領域の疑問について医師に直接お聞きした内容を記録しています。

ピルの服用は不妊症に影響がありますか

結論:ピルは不妊に「良い影響」を与える

ピルの服用は不妊症に悪い影響を与えるのでは?と心配される方が多いですが、実際には良い影響があるというのが医師の回答です。ピルにはエストロゲンプロゲステロンが含まれており、服用すると脳が「ホルモンは十分にある」と判断し、卵巣への刺激を抑えます。その結果、卵巣を休ませることができます。

子宮内膜症の進行を防ぎ、将来の妊娠率を上げる

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が卵巣や子宮の周囲にできる病気で、毎月出血や炎症を繰り返すことで卵巣が腫れたり、臓器同士が癒着して妊娠しにくくなります。ピルで卵巣を休ませることで内膜症の進行を食い止めることができ、研究でも若いうちにピルを服用していた方は将来の妊娠率が高いというデータが出ています。

10代からの積極的な処方が推奨される時代に

現在は高校生でも生理痛がひどい方には積極的にピルを処方する流れになっています。将来の妊娠しやすさを守るだけでなく、受験や修学旅行など大事なイベント時の生理コントロールも可能で、日常生活のパフォーマンス向上にもつながります。

副作用として血栓症のリスクに注意

ピルの副作用として血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクがあります。肥満・喫煙・予兆のある偏頭痛・特定の持病がある方には処方できません。ただし、これらのリスク因子を除外すれば安全性は高いとされています。海外通販での個人購入は避け、必ず医師の問診を受けた上で処方してもらうことが重要です。

勉強会の様子

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※本内容は医師による院内勉強会の内容を要約したものであり、医療的な診断・治療の代替を目的としたものではありません。症状にお悩みの方は、まず医療機関の受診をおすすめいたします。